[池田香代子の言葉]

2008-12-10

【読書という体験】

いまや映画は、なんでも絵にしてしまえるからこそ、表現としてのクライシスに立ち会っているのだろう。映画は、絵にしないという映像表現があるのだということを、真剣に考えるべきだ。笑うキリストのシーンがないにもかかわらず、笑うキリストというテーマをもつ映画として成り立っている「薔薇の名前」が撮られないものかと、文学も映画も好きな人間は、詮無い夢想を追う。

[ 池田 香代子 ]