[秋草直之の言葉]

2009-07-04

【日経ビジネス

猫の手も借りたい状況です。そこに東京の本社から「報告せよ」の連絡が様々な部署から矢のように飛んできた。「東京からの指示は一切受けるな」という指示を出したほどです。被災されたお客様への見舞金も独断で決めました。東京は「なぜA社は10万円でB社は100万円なのか」などと聞いてくるけれど、ルールなんて決めている暇はない。10億円を分捕って勝手に配りました。混乱の極みとは、こういう状況を言うのでしょう。しかし人間はそんな時に猛烈な力を出すものです。お客様の被害状況のデータベースを作るよう担当者に命じたところ「3ヶ月かかります」との返事。「ダメだ。1日で作れ」と言ったら、本当に作ってしまいました。おかげで顧客管理は格段に効率が上がりました。


災害に比べ、不況ははっきりと目に見えるものではなく、種類の異なる危機を比べて語るのはおかしいかもしれない。しかし危機脱出で一番重要なことは、心が1つになることだと確信しています。

[ 秋草 直之 ]