[垣根涼介の言葉]

2009-2-22

【作家の読書道】

僕は、主人公の内面の自意識なり葛藤なり変化なりというものが、文字で見せられる最大のものだって思う。だから、自分の立ち位置を疑わないような主人公の内面は読みたくない。自分の存在の疑問を感じないタイプは。


僕は徹底的な極限状態に追い込まれた時、その人のフレームに世界がどう映るかということ、その人の自意識が変わるところが書きたいんです。


人間は自意識があるから、鎖につながれるのを嫌がる。そして自意識があるから、その人の持つフレームが、ぐしゃっとゆがむ瞬間がある。その瞬間を書きたい。

[ 垣根 涼介 ]