[川淵三郎の言葉]

2009-07-03

【日経ビジネス

不景気のたびにスポーツが経費削減のやり玉に挙がるのは、経営者が企業スポーツを「趣味」の1つと軽く考えている証しだろう。実は、企業がスポーツチームを持つことは、社会にとって大きな意味がある。子供たちの夢の受け皿になるだけでなく、地域コミュニティーの核にもなり得るからだ。


日本のスポーツ全体のレベルを下支えしてきたのは、企業スポーツにほかならない。企業スポーツは地域の宝であり、日本国民の財産でもある。だからこそ、今回の西武のような「突然死」は避けなければならない。企業が自前でチームを保有できないなら、小口のスポンサーを集め、地域の人々に運営を任せるなど、一歩引いたところからチームを支えることを考えてほしい。実際に、そのようにして生まれたJリーグクラブは数多い。

[ 川淵 三郎 ]