[細谷雄一の言葉]

2009-08-25

【中央公論

歴史とは、単なる知識の習得やエピソードの寄せ集めを意味するものではない。それ以上の価値をもつものである。あたかも山上から地平線に広がる光景を俯瞰するかのごとく、巨大な時間の流れの全体を見渡すことこそ、それを学ぶ醍醐味であろう。


「平和主義」という名の単独行動主義や、「日米同盟」という名の二国間主義を越えて、日本はより積極的に国際安全保障での多国間主義に参画すべきである。それは戦争を未然に防ぎ、荒廃した不安定な土地に平和をもたらす崇高な任務である。

[ 細谷 雄一 ]