[クレイグ・チータムの言葉(完訳 川上完)]

2011-02-18

【図説 世界の最悪クルマ大全】

どんなクルマも元をたどれば必ず誰かの夢に行きつく。


歴史に名を刻むほどのダメ車を愛してやまないファンがいるからこそ、世界は面白い。


世界に名だたる迷車も、初めから道を踏み外していたとは限らない。


名車になる可能性はあったし、なってもおかしくなかったのに、組み立てた人間のせいで地に落ちてしまったケースは数多い。


内装は豪華そのものだが、高級車で最も大切なセンスが少しも感じられないし、性能についても見るべきものはない。


車名だけを変えて売りつける「バッジエンジニアリング」の起源は1950年代後半にさかのぼる。ブリティッシュ・モーター・コーポレーションがブランド力を利用してひと儲けをたくらみ、同じクルマの6つのモデルにそれぞれ違う名前をつけて売り出したのが始まりだ。それを他のメーカーが次々にまねしだし、あっという間に世界的な流行に。クライスラー、ダッジ、プリマス、シボレー、ポンティアック、ビュイックと、どれを選ぼうが基本的には同じクルマで、違うのはフロントのエンブレムだけ、という時期もあった。

[ クレイグ・チータム ]