[ローレンス・レッシグの言葉]

2008-12-10

【コモンズ】

著作権法の唯一最大の特徴は、ネットの文脈においてそれが所有者に対しイノベーションをコントロールする力を与えることだ。コンテンツ配信技術に対して差し止め命令を発効できるというのは、どんな新技術が創られるかをコントロールするすさまじい力になる。ハリウッドが新配信技術の開発をコントロールするのに使ったのは、この力だ。なんら被害を示すことなしに、業界は配信の新しい方式に対してコントロールを及ぼすことができた。どんな業界であれ、一業界がネットの発展を拒否する力を持ってはならない。


なんという皮肉だろうか。われわれは国家コントロールに対する戦いに勝って、そのコントロールを市場の名のもとにまたもや復活させてしまう。言論の自由の名の下に戦ったのに、その武器が言論を統制する連中の弾薬庫に譲り渡されてしまう。われわれは財産の理想を擁護するあまり、その限界を忘れてしまい、その到達範囲をアメリカ建国の祖たちが想像だにしなかったような空間にまで拡大してしまう。

[ ローレンス・レッシグ ]