[金子勝の言葉]

2009-2-2

【セーフティーネットの政治経済学】

こうした現象をわかりやすくたとえれば、F1グランプリでホンダのターボエンジンが連戦連勝すれば、ターボエンジンが禁止されるようなものである。同じくルマンでマツダのロータリーエンジンが勝てばロータリーエンジンも禁止される。長野オリンピックにおいてスキーのジャンプで日本が強ければ、スキー板の長さが制限される。バレーボールで日本がレシーブが得意だと、ブロックはワンタッチに数えないという具合である。現代サービス産業におけるグローバルスタンダードとは、せいぜいこうした性格のものにすぎない。


ルール自体が競争の対象であり、それを握った国ないし企業の一人勝ちが許される。グローバルスタンダードといっても、それは製造業のISOとは決定的に違っていることを踏まえておかなくてはならない

[ 金子 勝 ]